保健指導室だより Vol.7 2012.6

6月4日は『虫歯予防デー』

虫歯予防デー と 8020運動

みなさんご存知の虫歯予防デーって!?

 日本歯科医師会が、『歯の衛生に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯に関する病気の予防処置の徹底を図り、あわせてその早期発見、早期治療を勧めることにより歯の寿命を延ばし、国民の健康の保持増進を支援すること』を目的とし、
「6(む)4(し)」に因んで6月4日に虫歯予防デーとして活動をしていました。その後、口腔衛生週間が制定され1958年から現在の歯の衛生週間になりました。歯の衛生週間は、厚生省(現:厚生労働省)、文部省(現:文部科学省)、日本歯科医師会が1958年から実施している週間です。毎年6月4日から6月10日までの1週間です。この機会に、口の中の健康について考え、健康な歯になるための生活習慣として気をつけて、8020(ハチマルニイマル)を目ざしましょう!

8020
8020(ハチマルニイマル)運動
愛知県が発祥の地!

 「80歳になっても自分の歯を20本保ちましょう。」
20本以上の歯を持つ高齢者はそれ未満の人に比べ、活動的で、寝たきりとなることも少ないなど多くの報告がされています。
 1985年に愛知県豊田市で行われた調査で、10本以上歯を失うことで半分以上の人がもっとも硬い食品の一つとされていた古タクアンや酢蛸(すだこ)を食べることができないことが判明しました。そこで、愛知県が満80歳で20本以上の歯を残そうとする活動を提唱し、運動として始め、全国に広まってきたのです。

歯の役割

 味覚を豊かに保ち、おいしい食事の歯ざわりや歯ごたえを楽しむ。美しい表情をつくる・・・歯の働きは様々です。食べ物をよくかんで、栄養をしっかりと身体に吸収することができ、体調を整えてくれます。
「良い歯」で「よくかむ!」ここからが健康の第一歩と言えます。
 また、唇や舌と同じように、発音を助ける役割もあります。さらに、「かみ合わせ」が病気につながることもあります。かみ合わせが悪いと、①頭痛がする②姿勢が悪くなる③肩こりにつながるなどです。
早めの治療が必要ですね。

生活習慣で予防できる虫歯と歯周病

虫歯予防には・・・

 歯を失うほとんどが虫歯や歯周病によるものです。虫歯を防ぐために最も有効なのは毎日の歯磨きですが、「歯を磨いているのに虫歯になってしまう」という方も少なくはないですね。一度生活習慣を見直してみる必要がありそうです。

 虫歯の原因はプラーク(歯垢 しこう)と呼ばれる細菌の塊です。しかし、プラークができたからと言って、すぐに虫歯になるわけではありません。食事をするとプラークの中でがつくられます。

musiba
 によって歯の表面からカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出していくこと=脱灰がおこり、食事のたびにむし歯がつくられているのです。その後、時間をかけて口の中は中性に戻っていきます。中性にもどった口の中では、再石灰化(唾液によって酸が中和され、歯から溶け出した成分が回復すること)を繰り返し、虫歯にならないのです。
 脱灰が続き、再石灰化が起こらないと、虫歯が発生するのです。

虫歯を予防する食生活のポイントは?

①だらだら食いを止める = 食べる量ではなく、食べる回数がポイント
②就寝前の歯磨きがおすすめ = 食後30分位に。もちろんその都度歯磨きも有効
③1口30回かむ = 唾液の分泌が促進され、プラーク形成を防ぐ

歯周病予防のためには・・・

musiba 現在30歳以上の成人の約80%が歯周病にかかっていると言われており、歯を失う原因の第1位が歯周病になっています。
 歯周組織(歯肉・歯槽骨・歯根膜・セメント質)に発生する疾患(感染症)の事を歯周疾患または歯周病といいます。歯肉炎歯周炎があります。自覚症状がないうちに進行してしまうので、やはり予防が大切です。歯茎が腫れる・歯茎が赤みを帯びる・ブラッシング時に出血するなどの症状が出たら、歯肉炎。
 口がネバネバする・歯茎の腫れ歯茎から膿が出る・歯茎がやせる・・などの症状は歯周炎の可能性があります。少しでも異常を感じたら歯科医院へ受診しましょう。歯周病は歯磨きだけではなかなか治りません。

①歯周病に精通した歯科医院で検査を受け、正しい歯の磨き方を学ぶ
②歯周病に関する正しい知識を身につけ、自宅でのケアと平行して定期的に専門家による歯のクリーニングを行うこと
③メンテナンス(定期健診)の計画を立てて、実行、メンテナンスに通うこと

正しい歯の磨き方、覚えましょう! ←詳しくはこちらをクリック

2~3か月に1回は検診を!少なくとも半年に1回は検診を受けましょう!

< 虫歯も歯周病も病気ですから、治すことは可能です。虫歯も歯周病も早めの受診、治療が必要です。もしすでに歯周病になっていても手遅れと諦めないでください。ほとんどの方に、効果的な治療方法があります。
 口の中のみならず心身を含めて、一生の健康を望まれる方は、ぜひ痛くない時にこそ、定期的(2~3ヶ月に1回、少なくとも半年に1回)に検診を。ご自分に合った通院しやすい歯科医院を決めておきましょう。

参考:Wikipedia 歯医者さんネット

「ひみこの歯がいーぜ」「おかあさんやすめ」
「ハハキトク」「まごはやさしい」って???

これらはすべて、「健康な歯のため」「より良い生活習慣」のためのポイントです!

健康な歯のため

詳しくはこちらをクリック!

食育って何?

 2005年に成立した食育基本法によると、「食育」は生きるための基本的な知識であり、「知識の教育」「道徳教育」「体育教育」の教育の基礎となるべきものと位置づけられています。食育(しょくいく)とは、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることなのです。この言葉を造語した石塚左玄は、食品の与える影響に関する独自の説によって、子どもに食べさせる食品の影響によって子どもの心身を養うという意味で用いたそうです。

6月は食育月間

 また、毎月19日は食育の日です。「食育の日」は食育推進運動を継続的に展開し、食育の一層の定着を図る機会として、「食育推進基本計画」により定められました。「食育の日」には各地様々な食育の普及活動が展開されています。

なぜ今、食育なのでしょうか?

musiba
「食」をめぐる現状として、
 ① 肥満や生活習慣病の増加
 ② 栄養バランスの偏った食事や不規則な食事の増加
 ③ 「食」の安全上の問題の発生
 ④ 過度の痩身志向
 ⑤ 「食」を大切にする心の欠如
 ⑥ 「食」の海外への依存
 ⑦ 伝統ある食文化の喪失 等の問題があります。

 例えば、「健康日本21」により、国民の健康づくり運動を実施していますが、高血圧や高血糖、コレステロールの数値は改善しているとは言えない状況です。また朝食の欠食率もほとんど変わってはいません。20歳代の男性の朝食の欠食率は平成21年に33.0%だったのが22年には29.7%に減少していますが、一方20歳代女性は23.2%から28.6%に増加してしまっています。目標1日350gと言われている成人の野菜の摂取量も、平成21年は295.3gだったのが、平成22年には残念ながら281.7gと減少してしまっています。

朝食の欠食率(1歳以上)
朝食の欠食率

厚生労働省 平成22年国民健康・栄養調査結果の概要より

詳細は厚生労働省ホームページ「平成22年国民健康・栄養調査結果の概要」をご参照ください。

みんなで食育に取り組みましょう!

 先に紹介した「平成22年国民健康・栄養調査結果の概要」から、肥満とやせの状況結果から、肥満とやせは、男女とも前年に比べて、割合に変化はありませんが、年次推移を見ますと、20歳代女性のやせの者の割合が平成20年は23.3%でそれまでは横ばいだったのが、平成21年24.6%、平成22年29.0%と、急増しています。この結果からも、若い年代の女性の痩身(そうしん)志向の状況が伺えます。
 今日の日本人の食生活においては、脂質の過剰摂取や野菜の摂取不足といった栄養の偏り、朝食の欠食に代表されるような不規則な食事、子どもも含めた肥満や生活習慣病の増加若い女性を中心とした過度の痩身志向などの問題が生じています。
 この基本計画に沿って、栄養指導などの健康づくり活動を通じた食育に関する普及啓発活動が総合的かつ計画的に推進されていくべきです。

朝食の欠食率

食育・・・具体的には何をすればいいの?

 一人ひとりが正しい知識を持って取り組めることが基本です。そして、家や学校、地域などで色々な人たちが活動することで、皆さんがずっと元気に生活できるようになってくるはずです。社会全体がそういう環境になるとよいですね。

食育・・・具体的には何をどうすればいいの?

食事バランスガイド あなたの食事は大丈夫?

食事バランスガイド

■詳しくはこちらをご覧ください■
愛知県ホームページ「食育ネットあいち
農林水産省「早わかり!食事バランスガイド

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