教育課程経営

 本校のカリキュラム構造図(図1)に示すように、基礎分野は、全分野の土台となり、専門基礎分野は基礎分野に積み上げていくとしています。専門分野の「基礎看護学」は中核的学習分野を形成し、その外周に「精神看護学」を、さらに「精神看護学」の外周に「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」を位置づけております。そしてすべての分野を取り巻くように「地域・在宅看護論」を置き、全分野を双方向に往来し、横断的に臨床判断能力の基礎を養い、看護実践能力を段階的に学べるよう、その全てを包括する「看護の統合と実践」を配置しております。

カリキュラム構造図

 令和4年度から開始となった第5次カリキュラム改正で、カリキュラム・ポリシーを次のように定めました。(図2 カリキュラムマップ参照)
1)地域で生活する人々と社会のつながりや、対象の多様なニーズを把握し、理解するために必要な知識・技術を学ぶ。さらに、社会を形づくる文化や制度と健康、環境に関与する理論など看護学の基礎となる科目を1~2年次に配置し、人間を統合的に理解する能力を身につける。
2)対象の健康課題の解決やニーズに合わせた看護を提供するために、看護学の観点から人体を系統立てて理解する科目を置き、健康・疾病・障害に関する観察力・判断力を強化している。1年次には情報のアセスメントの意義、目的、種類、基本的な系統別イグザミネーションを配置し、対象に応じた看護実践を学ぶ科目を2~3年次にかけて配置する。
3)知識や技術の統合を図り、多職種との関係を円滑に図るために必要な対人関係能力や倫理的に判断でき、看護専門職業人として必要な社会人基礎力を段階的に身につけていく臨地実習は、おもに2~3年次にかけて配置する。
4)将来にわたり看護を継続的に探究し、自己研鑽し続けるための基礎的能力の習得ができるように講義・演習・臨地実習を3年間にわたり系統的に配置する。

カリキュラムマップ

 本校が位置する東三河南部地区は、2023年の愛知県の高齢化率25.7%に対し、27.4%と高く、また年々上昇し高齢化が進んでいます。地域の特性を理解する科目だてをもとに学習をしています。さらに学習内容が活かされるように効果的な指導を考えていく必要があると考えています。                            
 実習施設については、主に明陽会関連施設を利用しつつ、小児看護学、母性看護学、精神看護学に関しては外部施設を使用して、全ての臨地実習が円滑にそして効果的に行えるようにしています。新型コロナウィルス感染症拡大防止を図り、昨年度までと同様に、学生に看護師となる自覚を促し、基本的な感染拡大防止対策に関する行動を徹底させ、また実習施設と連携を取りながら計画通り行うことができました。
 毎月のカリキュラム会議で、全ての臨地実習の指導計画、実施状況、評価を報告し、次年度に向けての改善内容等について検討を重ねています。そうした取り組みを経て臨地実習指導要綱を完成させることができました。次年度、実際に運用する中で、さらに指導方法・内容の精選をしていくように考えています。
 教科外課程においては、豊かな感性を育み、看護に関することに広く興味・関心を持ち、見聞を広め、協調性を培うことができるように計画をしています。今年度は地域活動として成田記念病院の夏祭りをはじめ、松崎祭、輝望祭等の地域の活動に参加することができました。引き続き教科外課程の意義を踏まえて、活動の拡充をしていくことが必要であると考えています。