第194回 リハビリテーションとは~リハビリの発展から現在まで~

2012年04月14日

早崎光宏 成田記念病院リハビリ室主任

 リハビリテーション(以下リハビリ)とは、元の適した状態にするという意味を持つ言葉です。世界保健機関(WHO)は、単に疾病や傷害がないというだけではなく、身体的にも精神的にも社会的にも安寧な状態を健康と定義づけています。このため、リハビリが目指す目的は健康を取り戻すということと重なります。  現在のリハビリの流れは、医師からのリハビリ処方をもとに、カルテなどから情報を得た上で実際に患者さまの機能評価をさせていただきます。そして回復の到達点であるゴールにたどり着くまでのリハビリプログラムを立てます。その後は定期的に医師、看護師、ソーシャルワーカーらと検討を行い、患者さまの回復具合を評価し、ゴール設定とリハビリプログラムを再考していきます。  リハビリには、坐る、立つ、歩くなど基本的動作能力の回復を図る理学療法と、主に上肢や指先の作業活動や巧緻動作、また高次脳機能障害に対するアプローチを行う作業療法、そして発話、聴理解、読解などのほか、摂食嚥下訓練を行う言語聴覚療法があります。  現代医療では、早期離床をすすめ、廃用症候群の予防する急性期リハビリ、家庭復帰のための日常生活動作訓練を中心とする回復期リハビリ、寝たきり防止や社会参加を目的とした維持期リハビリに機能分化されています。  明陽会では、急性期リハビリが成田記念病院、回復期リハビリが第二成田記念病院、維持期リハビリが老人保健施設である明陽苑となっています。