第158回 変形性膝関節症に対するリハビリテーション~『へえ~』と言える膝痛対策~

2012年03月09日

成田記念病院 リハビリテーション室主任 後藤 健一 第158回 H16.1.30

 膝痛の原因の多くは、膝関節変形症といわれています。症状は歩いたり、階段の昇降時の膝の痛み、足が伸びない、曲がらないなどです。痛みの原因は、膝関節軟骨が摩擦によってすり減り、その時に出る小さな骨の粉が関節液の中を浮遊し、その骨の粉が関節膜に炎症を起こし、炎症反応として関節に水が溜まったり、痛みが起きたり、さらには変形したりします。
 膝関節は、加齢によるクッションの役割をしている軟骨が硬くなる、肥満、大腿四筋の筋力低下、膝の酷使、O脚、扁平足などにより、負担がかかると、変形しやすくなります。
 治療法は、手術しないで薬や注射による保存療法や手術、リハビリなどがあります。
 リハビリには、膝や足にいろいろな装具をつけて膝の負担を減らす装具療法、ホットパックや電気刺激などにより痛みを軽減する物理療法、それに運動療法があります。運動療法にはストレッチと筋力トレーニングがあります。
 ストレッチとは筋肉を伸ばすことで、膝の動きを良くしたり、筋肉のこりを取ることです。筋力トレーニングは低下した大腿四筋の筋力の強化をするために行うものです。膝の動きが滑らかになり、大腿四筋の筋力が強化されると膝の負担は軽くなります。
 筋力トレーニングの具体例として、両膝でクッションを挟んで立ち、ゆっくりとスクワット運動をすることなどがあります。水中での運動も効果がありますが運動の内容は異なるので注意を要します。

成田記念病院季刊誌「おだいじに」No.48より