成田記念病院 薬局長 田本 慎一 第155回 H15.10.30
薬局では確実に処方箋通り薬を処方していますが、患者さまも確認していただければ、ますます確かなものになりますので、薬の袋に書かれている名前、薬の飲み方、使い方、それから自分の目で薬を確認してください。薬の説明書が必要な場合とか副作用の心配のある場合は遠慮なく、医師、薬剤師に相談してください。
家庭での薬の管理は、薬袋の中に入れて日光、高温、湿気を避けるため、缶や引き出しの中で保管し、乳幼児や子供の手の届かないよう注意してください。
薬は胃の中で溶け、小腸で吸収され、肝臓で一部分が壊され、血液の中に入って体の中を回ります。
ですから、薬はコップ1杯から半分くらい(100mlから150ml)の水で、ノドから食道まで確実に流し込むことが大事です。ノドや食道にひっかかったりすると、薬によっては炎症を起こすことがあります。
服用の仕方は、大きく分けて以下の3つの方法があります。「食後服用」とは、食事をした後30分。「食前服用」とは、漢方薬などのように食事の前に服用。「食間服用」とは食べ物が消化、吸収された後に飲むことです。
薬局に「飲み忘れたときはどうしたらよいか」という問い合わせがありますが、そうした場合は、原則として「気がついたらすぐに飲んでください」と答えています。次の薬を飲む時間が迫っている場合でも1回抜くより、飲んだ方が良いです。ただし、糖尿病の薬などは食事を摂らないと飲んではいけません。
次に、薬の飲み合わせですが、健康食品(サプリメント)の中で、セイオウオトギリソウ、カルシウム剤、鉄剤、それに特定保健栄養食品、グレープフルーツジュースといったものには、病院から出ている薬と作用がかぶったり、薬の作用を強めたり、弱めたりするものもあるので薬剤師に相談してほしいと思います。また薬を飲む時にはアルコールは避けてください。
いずれの場合にも、お気軽に薬剤師にご相談ください。
成田記念病院季刊誌「おだいじに」No.47より