第152回 東海地震、東南海地震から医療施設の安全をどう確保するか

2012年03月03日

豊橋技術科学大学 教授 加藤 史郎 第152回 H15.7.28

 現在、東海地方に大規模な地震の発生が想定されていますが、重要なことは豊橋や渥美半島は震源の上にあるということです。過去、三河地方に発生した地震の発生を調べてみると、150年に一回は必ず地震が起きることが分かっています。その震度は6から7が考えられ、豊橋市を含む三河地方は相当ひどい被害を受けることになります。
 阪神・淡路大地震で病院の機能は維持できたかといえぼ完全にストップしました。その一例をあげますと、地震の激しい揺れによって医療機器の主要部分が破損したり、落下したり、転倒しました。例えば13トンもあるMRIのボルトが数秒間で切れ、30cm移動したということです。従って地震対策が必要になります。
 情報システムは、床免震になっていたために若干移動しただけでした。病棟の端末は対策がされていたことから落下による破損が一部あった程度で比較的被害は少なかったようです。
 医療ガスボンベはほとんどリード管が被害を受けました。
 神戸・淡路大地震が起きる1年前カリフォルニアで震度6弱の地震が起きましたが免震構造の病院は無損傷で、病院の機能は果たしたという報告があります。
 地震直後から機能しなければならない需要な一つに病院があり、地震対策をしっかり講じる必要があります。病院の建物自体はもとより、医療機器、それに床などは免震構造にすることが望まれます。

成田記念病院季刊誌「おだいじに」No.46より