第147回 突然死を予防しましょう~心臓ドックについて~

2012年02月26日

成田記念病院 健康管理センター長 神戸 忠 第147回 H15.2.27

 突然死とは、WHO(世界保健機関)の定義では「24時間以内の死亡」となっています。一部の心臓専門の医師は「1時間以内の死亡」を突然死と言っています。いずれにしても短時間で、亡くなるということです。
 24時間以内での心臓疾患による突然死は72%、1時間以内だと80%となっています。
 心臓疾患の突然死とは、心臓に何らかの病気があって死亡することをいいます。その病気とは、心筋梗塞が圧倒的に多く、次いで肥大型心筋症、拡張型心筋症、大動脈弁膜症、危険な不整脈などです。心筋梗塞は冠状動脈が動脈硬化によって心臓の血管が詰まって起きる疾患です。
 突然死の危険因子は、喫煙、高血圧、肥満、高コレステロール、糖尿病、家族歴、危険な不整脈などです。いずれにしても基礎疾患を早期に見つけることが大事で、生活習慣病検診、人間ドック、心臓ドックなどの検診を利用して危険因子のリスクを把握しておく必要があります。
 成田記念病院の人間ドックには、半日ドック、一般ドック、特殊ドックとして脳ドック、肺ドック、婦人科、前立腺、それに一昨年から心臓ドックを行っています。
 心臓ドックでは、心臓の異常を早期発見し、心臓死を未然に防ぎ、治療費を削減することを目的としています。この人間ドックには最先端の医療機器・マルチスライスCTがあります。心電図では分からない、症状もない、その他の検査では見つからない冠状動脈の硬化症の異常も、このマルチスライスCTなら的確に見つけることができます。
 また、負荷心電図、24時間心電図、心エコー図などで心臓の状態を詳しく調べます。心臓ドックの内容は充実しているので、心臓病による突然死を予防するためにも一度心臓ドックの検診をお勧めします。

成田記念病院季刊誌「おだいじに」No.44より