第203回 メタボリック・シンドローム~特定健診・保健指導~

2012年09月12日

高橋章 成田記念病院フィットネスセンター主任

 メタボリックシンドロームとは、運動不足、食べ過ぎなどの習慣が重なることによって、内臓脂肪が過剰に蓄積され肥満になることで、動脈硬化が急速に進み、生活習慣病になる危険性があるというものです。従って、メタボリックシンドロームは、内臓脂肪症候群ともいわれ、生活習慣病の予備軍だいうことを理解してください。
 肥満のタイプには、内臓脂肪型(リンゴ型)と皮下脂肪型(洋ナシ型)の2つのタイプがありますが、どちらが怖いかといえばリンゴ型です。なぜ内臓脂肪型が怖いかといえば、内臓脂肪は、高血圧、糖尿病、高脂血症、動脈硬化のリスクを増加させる物質を分泌するからです。一方、皮下脂肪は、動脈硬化やインスリンの抵抗性を減らす物質を分泌します。
 内臓脂肪は、食事制限をしたり、運動をすれば脂肪は減ってくるといわれています。このことから、生活習慣病を改善することが大切になります。
 メタボリックシンドロームかどうかの一番の指標は、腹囲、おへその位置でウエスト計測し、男性は85センチ以上、女性は90センチ以上です。このほかには血圧、コレステロール、血糖値のうち、2つ以上が基準以上だとメタボリックシンドロームと診断されます。大事なことは、年に1回は健康診断を受けて、自分の健康状態はどうなっているのかを把握することです。
 では、どうやってメタボリックシンドロームにならないようにするのかということですが、禁煙やストレスの解消など日常生活の改善、脂ものは避け、野菜など繊維が多く含まれている食べ物を摂取する食生活にする、運動を行うことです。
 特定健診・特定保健指導が来年4月から始まります。これは、生活習慣病が増加し、医療費が膨れ上がっていることから、生活習慣病を減らし、医療費の増大を抑制しようというものです。特定健診の対象年齢は、40歳~から74歳で、対象者は医療機関などで健診を受け、その結果、メタボリックシンドローム、あるいは予備軍と診断された方は、保健指導を受けたり、治療を受ける医療保険者から指示されたりします。