成田記念陽子線センター
陽子線は、放射線の一つで高速に加速された陽子の流れのことです。
この陽子線を体の外からがん細胞に照射して治療するのが陽子線治療です。
当院ではシンクロサイクロトロンという加速器を用いて陽子を加速します。
X線治療で用いられるX線は、体内に入ると体の表面近くの浅いところで大きなエネルギー(放射線の線量)を与えます。体内の深いところにあるがんに十分な線量を届ける場合、周りの正常な組織にもダメージを与えてしまいます。一方、陽子線治療で用いられる陽子線は、がん細胞のみをピンポイントで狙い、がん細胞のある深さで大きな線量を与えることができる特徴を持っています。そのため、周りの正常な組織へのダメージを抑えつつ、がんに十分な放射線をあてることができ、からだに優しい治療方法とされています。
陽子線治療を受ける一般的な条件として
・がんと診断されていること
・がんが狭い範囲に限られていて、遠隔転移がないこと
・治療中の約30分間、同じ姿勢を維持し寝ていられるのが可能であること
等があります。
また、治療の対象とならないがんは、白血病など全身に広がったがん、胃がん、大腸がんなど消化器のがんです。
陽子線治療を行うのは、主に前立腺癌、肝細胞癌、食道癌、膵臓癌、肺癌、頭頸部腫瘍、骨軟部腫瘍、小児腫瘍などです。それ以外のがんについても、今までX線で治療しているがんについては対象となる可能性があります。
がんのステージによる治療の制限はありません。ただし、がんが狭い範囲に限定されていることが条件となります。すでに全身にがんが広がっている場合には、全身に対する他の治療法をお勧めいたします。
広範囲に転移が見られる場合、一般的には治療はできません。
ただし、転移のある場所が限定されている場合や、転移の数、患者さまの状態によっては、可能な場合もあります。
治療の適応になるかは、それぞれ患者さまの状態によりますので主治医もしくは当院のセカンドオピニオン外来にご相談ください。
治療の年齢制限は設けていません。身体への負担が少ないため、高齢の方でも治療が可能です。
同じ部位にすでに多量の放射線が照射されている場合は、治療が難しくなります。多くの放射線を浴びると、重大な副作用が発生する可能性があるためです。ただし、放射線を照射した場所と違う場所であれば、陽子線治療が可能な場合もあります。
治療期間は、がんの種類や状態によって決められており、約1週間から8週間です。治療期間中は、月曜日から金曜日の週5日間、毎日通っていただき治療をします。
陽子線が照射されている時に痛みや熱さを感じることはありません。
副作用は、治療期間中や治療後時間が経ってから現れることがあります。たとえば、照射した部位の皮膚に日焼けのような症状が見られることがあげられます陽子線治療は、従来の放射線治療と比較をすると正常な組織への影響が少ないため、副作用もX線と比べ少なくて済むと考えられています。しかし、がんの種類や場所による違いや個人差もあるため、副作用に関することも陽子線治療を開始する前に専門医が詳しく説明いたします。
陽子線治療は1回約30分であり、身体の負担が少ない治療のため通院治療が可能です。仕事をしながら治療を受けている方もいらっしゃいます。
また、当院に入院施設はありませんが近隣の宿泊施設をご紹介することが可能です。
がんによっては、抗がん剤との併用が有効な場合があります。その場合には、抗がん剤との併用治療をお勧めしています。
治療を受けるには、がんの種類や状態に対して陽子線治療が適応となるか、当院の専門医による診察が必要になります。当院は完全予約制となっていますので、まずは予約をお取りください。なお、予約は主治医のいる医療機関を通してお取りいただきます。
原則、完全予約制となっております。また、予約は主治医など医療機関を通してお取りいただきます。
患者様からのお電話、FAX、直接の来院による予約は受け付けておりません。
セカンドオピニオン外来は、
患者様、ご家族からの直接予約も行っております。
まずは、成田記念陽子線センターまで、お問合せください。
お問い合わせ電話番号:0532‐33‐0033
原則、紹介状が必要になります。患者様の状態を一番よく把握されている主治医の先生からの情報を参考に診察し、陽子線治療の適応の判断をさせていただきます。
セカンドオピニオンで受診可能です。その場合でも、ご本人が受診する時と同じように紹介状等をご準備ください。
セカンドオピニオン外来の受診についても、通常の受診と同様に予約をお取とりいただいてから受診していただきます。
先進医療にかかる費用(陽子線治療技術料)は、保険外診療の扱いのため全額自己負担となりますが、同時に行われる診察・検査・投薬などについては一般の保険診療と同様に1~3割の自己負担で扱われます。先進医療の費用については、民間保険の先進医療特約で補填できる場合もあります。特約を使用できるかどうかについては、ご自身でご加入の保険会社にお問い合わせください。
保険診療・先進医療適応外の場合は自由診療となり、通常の診療費用を含め全額自己負担となります。
ございます。詳しくお知りになりたい方は直接当センターにお問い合わせください。
宿泊を希望される患者様には、近隣のホテルをご紹介いたします。お気軽にお問合せください。