第130回 肝障害の見分け方

2012年02月09日

成田記念病院 消化器内科医師 安藤 貴浩 第130回 H13.9.25

 肝臓は、”沈黙の臓器“と言われています。このため、肝臓は、かなりの肝機能障害になっていても症状が現れないことが多いです。症状が出るときは、既に肝機能障害が進行していて急性肝炎や肝硬変になってしまっているというケースがほとんどです。
 肝機能障害の原因は肝臓に脂肪が溜まっている脂肪肝、アルコール、A型、B型、C型のウイルス、EBウイルス、薬剤、癌などです。
 肝機能障害の症状は、疲れやすい、だるい、食欲不振、気持ちが悪い、目の白い部分が黄色くなってくる(黄だん)、尿の色が濃くなってきた・・といったものがあります。
 こういった症状は急性肝炎、または肝硬変が進行したときに初めて現れます。さらに症状が進むと浮腫(むくみ)、お腹が張る、便が白い、意識障害などが起きます。
 症状が現れたときは肝機能障害がある程度進行していると考えなければなりません。体の不調が現れたときは血液検査を受け、肝機能が正常かどうかを調べてみることが大事です。
 検診などで測定された肝機能のデータなどが肝障害の有無の発見に大変重要な役割を果たします。

成田記念病院季刊誌「おだいじに」No.39より