第173回 マンモグラフィーで乳がん検診を受けましょう

2012年03月24日

成田記念病院 放射線科部長 安藤 啓一 第173回 H17.4.21

 日本では乳がんになる人が非常に増えています。それに伴って乳がんで亡くなる人も多くなっています。乳がんにならないためには太らないことが大事といわれていますが、これも確実性はなく、乳がんに対する有効な予防法のないのが実情です。現在、乳がんに対する一番良い方法は定期的にマンモグラフィーを受けることと、自分で乳房を触って調べる自己検診です。
 乳がんは早く見つけて、早く治療すれば治るがんなので、検診が大変重要となります。従来の乳腺病変の診断は、医師が診たり、触ったりして診察する視・触診から始まり、異常があれば超音波検査や腫瘤があれば針で細胞を採取して検査する細胞診生検が行われていました。
 しかし、こうした一連の検査でも乳腺の病変が触れず発見できないという問題点があります。乳がんは触って見つけることのできるがんですが、中には触っても見つけることのできない乳がんもあります。そうした乳がんは画像診断で見つける必要があります。
 現在の乳がんに対する検査法は、視診・触診とマンモグラフィーを組み合わせて検診が行われているのが一般的になりつつあります。
 マンモグラフィーは乳房X線撮影装置で、X線の被曝量も少なく、身体に優しい検診法です。乳がんが増えている中で、このマンモグラフィーは早期の段階で乳がんを見つけることができるため、ここ数年重要視されています。
 マンモグラフィーは乳がんの早期発見に大きな威力を発揮しているので、マンモグラフィーの検診を受けて、乳がんから身を守ってください。

成田記念病院季刊誌「おだいじに」No.53より