第168回 形成外科Q&A

2012年03月19日

成田記念病院 形成外科部長 山民 千明 第168回 H16.11.30

 形成外科とは①外傷②先天異常③皮膚・皮下の腫瘍が治療の対象になります。
◆外傷 やけど、顔の骨折、手のけが、床ずれ、けがの後遺症があります。
・やけどで範囲が広い場合、そのまま放っておくとショックを起こし命が危険なことがあります。そのためできるだけ早い処置(点滴)が必要となります。またやけどの直後は深さの判定もできないことが多いです。
・顔の骨折は自動車事故、けんか、スポーツなどで起きます。骨のずれが大きい場合手術が必要となります。
・床ずれは体が動けなくなって同じ姿勢で長い時間車椅子に座っている場合や、寝たきりになった、栄養の悪い人に出来やすいです。手術は血管のついた組織を活用します。
・けがの後遺症としてできるケロイドや瘢痕に対しては、つっぱりを取る手術をしたり、切って小さくしたり、傷の形を変えることで目立ちにくくします。
◆先天異常 当科で関連する先天異常としては
・唇裂:上唇が裂けた形をしているもの。
・耳の変形:耳が小さい、曲がっている、さけているもの。
・漏斗胸:胸がへこんでいる。
・陥没乳頭:乳頭が陥没し刺激しても出てこない。
・合指症:指同士がくっついている。
・多指症:指の数が多い。
などがありほとんどの治療が可能です。
◆皮膚・皮下の腫瘍 比較的皮膚表面に近い腫瘍をあつかっています。良いものと悪いものがあります。
 悪いものが疑われる場合検査をするか、大きく切除して、できれば再建することもあります。また化学療法が必要になることもあります。
 そのほかに眼瞼下垂症、眼瞼内反症、陥入爪なども治療しています。

成田記念病院季刊誌「おだいじに」No.51より