第154回 医療費Q&A~知って得する医療費のはなし~

2012年03月05日

成田記念病院 相談室主任  岡田 麻由生 第154回 H15.9.25

医療に関する相談で一番多いのは「介護」で、次に多いのが「医療費」についてです。相談室に来られた方の質問とその答えを紹介します。

Q 入院費が高額になって困っている。高額の医療費を支払った場合に払い戻しがあると聞いたがどういった仕組みなのか。
A 社会保険や国民保険には高額医療費制度があります。従ってこの制度を活用すれば払い戻しが受けられます。手続きの窓口は保険証に所在地と電話番号が書かれていますが、国民保険の場合の窓口は市町村、社会保険の場合の窓口は社会保険事務所か健康保健組合です。ただ時効があり、2年以内に請求をしなければ払い戻しは受けられません。

Q 高額医療費の払い戻しは、医療費の支払いを済ませないと戻ってこないのか。医療費が支払えない場合はどうしたらよいか。
A 国民保険の場合は医療機関の領収書を添付しなければ高額医療費の払い戻しは受けられません。医療費が支払えない場合は、融資制度があり、国民保険の場合はあとから払い戻される9割、社会保険の場合は8割を無利子で借りることができます。

Q 70歳以上でも高額医療制度はありますか。
A 老人保健の方でも高額医療費制度はありますが、所得によって4段階に分かれています。

Q 保険料が支払えないので放置していたら保険証が使えなくなったのですが――。
A 保険証が使えないと医療費全額が自己負担になります。保険料が支払えない場合は支払えない理由を市町村に申請すると分割納付することもできます。

 医療費の払い戻しは本人からの申請が基本です。従って本人が申請しなければ払い戻しはしてもらえません。医療費に関して疑問がありましたら、遠慮なく相談室にお尋ねください。

成田記念病院季刊誌「おだいじに」No.47より